イワトモの在宅介護生活

知的障害の妹と80代の父と関わりながら静かに暮らしています

介護者が逆に癒されるとき


【グループホームでの思い出】
父の在宅介護生活が始まって一カ月半が経過しようとしています。
その直前まで、グループホームでほんの少し(4か月だけ)働かせ頂いていました。


その中でも、私は “Iさん”という入居者様が大好きでした。
(ちなみにどの方も素敵な方々でしたが)


【ガンセの効用】
私は、Iさんの就寝介助(パジャマへのお着換えなど)をさせていただくのが、実はいつも楽しみでした。いろんなおしゃべりをしながら、サポートする職員の私のほうが、癒されました。


あるとき、Iさんが、
「あ~今日も、ガンセできたかな。この年になってもガンセできるの、うれしいね~。」
と。


私:「ガンセ?ってどういう字を書くのですか?」


Iさん:「ガンセはね、顔のお布施、笑顔。」「お金持ちじゃなくても、体が動かなくなってきても、
お布施ができてありがたい…。」


私は、こうして、Iさんと、仏教用語である「顔施」や「和顔愛語」のことなどを、
お話しながら介助させていただく時間があることで、
いつもエネルギーをチャージさせてもらっていました。


そして、
Iさんがたまたま愛嬌のある方なのではなく、
信仰深く、毎日笑顔でまわりを明るくしようと、意識して努力されていることを知りました。


考えてみれば、そうですよね、
Iさんは、いつも上機嫌なように見え、体調が悪い時でさえ、
「ありがとう」「ありがとう」と言える方でした。


それは、たまたま…ではなく、
Iさんにとっての、日々の仏道修行の賜物だったのでしょうね。


【古き良き日本人】
グループホームには、Iさんのような大正生まれ・昭和一桁生まれの方々(90歳代)が多くおられます。


きっと、口では言えないくらいの苦労もされたはずなのに、
愚痴らず、感謝深く、仏様のようなお人柄の方々。


リアルに「教育勅語」を学び、戦争を体験された皆さん。
戦前の日本の教育は良かったのだろうな~。と、素直に思うようになりました。


私のように、
GHQ政策に従って、日教組教育の反日教育と、GHQの日本改造が新聞やマスコミを通じて擦り込まれた世代からすると、
まさに「古き良き日本人」っていう感じです。


こんなことを言ってはなんですが、それ以降の世代(ちょっと若めのシニア)の方より、
身じまいが良くて、我慢強く、礼儀正しい人が多いような…。


身体的なことはしかたないとして、認知症の発症も少ないような印象でした。


男性は武士道精神、
女性は大和なでしこ精神があった時代を、
駆け抜けてこられたのだと思います。


【理想像】
風の便りで、Iさんはその後、
肺炎をこじらせて、入院されておられるらしいです。


どうか、できるだけ健やかに長生きされ、
次の世代に、お手本の姿を見せてほしいなと願っています。


グループホームを離職させていただいた今でも、どきどき、
Iさんの笑顔を思い出して、懐かしく、キュンとなります。


私も、日々、父の介護や知的障害の妹のケアに、顔施で接していきたい…。
そして、いつかIさんのようなチャーミングなおばあちゃまになりたいなと思っています。